実は、題名も題名だし、アカデミーもとっちゃってるしで、とっつきにくかったんです
でもね、とにかく、おもしろい!おもしろい!おもしろい!作品
脚本がホントにうまいと思います
ビデオになってからしか見ていないので私にとっては結構最近の作品なんですが
どうしてこんなになつかしい感じがするんでしょう。
お芝居の話だから、なんでしょうね、でてくる人みんな芝居を愛してる!
端役の人たちが楽しくてかわいいの
最初にでてきて口上を述べる人
海賊役だったのに乳母の役になっちゃうひと、
極めつけが小屋主なのに芝居が大好きで薬屋の役に舞い上がっちゃう人
役者だけじゃなく、たのむから小道具を壊すなって言う小道具係
小屋を失って途方に暮れる劇団員にうちでやりな、といってくれるライバルの小屋主
みんなが芝居を愛してて、いい芝居を舞台にのせたいってこころから思ってる。
内容は、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の裏話
という感じなのですが、本当にいろんな要素が詰まっています。
一本のお芝居が出来ていくドラマであり、ラブストーリーであり、男女取り替えコメディとしても見れないこともないし
しかも、そのすべてが一級品!
どういう風に見てもおもしろい!こんな映画ってちょっとないと思います。
シェークスピアとヴァイオラが文字どうり恋におちて
それが作品になって、舞台にのせられて
初日をまえにして現実と稽古の境がだんだんなくなっていくときの盛り上がり方なんか
すごい!
ベッドの中の会話がセリフになって稽古をして
それがまた、次の会話を引き出して・・・
その上、そのせりふが男女取り替えとくる
そのめくるめくかんじがまた
そうそう恋愛中のみさかいない盛り上がりってこうだよなーって思わされて
見てる方はもう、なんかいいように翻弄されちゃうんだけど、それがまた気持ちいい
マジックのような作品ですよ。
グゥイネス・パルトロウって不思議な女優さんですね。
あんなにきれいなのに、不細工な役もうまい
実は、この作品のように美しいって言われる役じゃなく
ちょっと壊れた役をしてるときの方がわたしは好きなんですが。
この作品の中でも、ショートヘアに付けひげをつけて、男に変装したりしていてそれがまたなんだか、かわいいの。
パルトロウにこれでアカデミー???って思ってたのだけど
くりかえしてみると、なるほどさすが!
だって、未だかつて、俳優と呼ばれる人で
ロミオもジュリエットも同時に演じた人っていないんじゃないかなあ?
それも、劇中劇でよ!
ラストシーンきれいでした
ヴァイオラはシェイクスピアのなかでどこに向かって歩いていったんだろう
十二夜が読みたくなりますよ
劇中劇と現実が交錯してるうえにそれが
男女こうたいで、しかも当時の身分差とかもきちんと描いてて
なのにすんなり見て泣いて笑えちゃったりする
これは、かなりすごいです
そこが、たぶん監督マジックなんだろうなぁ。