2007,12,07, Friday
ジョン・アーヴィング原作、ラッセ・ハルストレム監督
もう、黄金のタッグです 主役のホーマー(トビー・マクガイア)の静かな視線が作品全体を流れて 人々を癒していきます 単に青春もの、でもなくて じつは堕胎というむずかしいテーマも扱っているのですが とりあげかたがセンセーショナルではなく 普通に語ってくれているところが好きです ラッセ監督の作品っていつもそうで、政治や宗教や虐げられた人々のこともきちんと描きつつ それがイデオロギーの押しつけになっていないのがいい この作品のなかで語られる堕胎ということも 監督&原作者は肯定も否定もせずに それぞれの女たち(女だけの問題ではないので、もちろん男たち)の状況を 淡々と描いていきます 本当にいつも思うのは 「○○はいけない!」って言うのはすごく簡単で そういう風に言うことで、自分のアイデンティティが確立したように思えるけれど 大切なのはその時その時、その人その人の状況をちゃんと把握したうえで どれだけ自分らしくその人らしい判断ができたか、してあげられたか、ですよね 「おやすみ、メインの王子たち、ニューイングランドの王たち」 すてきな言葉です。 続き▽ |
2007,12,05, Wednesday
かなり昔の作品ですね。
ジョン・アーヴィング原作です。 原作があんまり好きなので、うらぎられること必至と思っていたのですが 原作のちょっと変わった感じがそのままうまくでてます。 ガープ役のロビン・ウィリアムスもお母さんのグレン・クロースもホント!いい味だしてます ガープの出生の秘密を聞いても ぁ、この人ならやるかもっておもわせてくれるのはグレン・クローズしかいないです。 アカデミーノミネートのジョン・リスゴー (フフフ、助演 男優賞ノミネ!)はいうにおよばずってかんじですね 元フットボール選手のオカマさんなんて!やりがいあったでしょうね いきいきしてるうえに 「私があと1~2秒はやくきがついていたら。。。」などと悔やんだりするところや こどもたちとのチャンバラでお姫様役(大笑い)をしていたりするところぜんぶ かわいくてそのうえリアリティもあって、ほんとキャスティング最高!!! エピソード、エピソードは、とんでもない事件ばっかりなのに この静かな感じはなんなんでしょう 登場人物一人一人がそれぞれにちゃんとじぶんをいきてるからでしょうか? みんながみんな、けっこう過酷な過去を背負っててそれでも おたがいに思いやりを持って生きてる 簡単そうだけど難しいことですよね。 ジェニーと見に行った家に飛行機がつっこんだ瞬間 「同じ場所に飛行機が落ちることは統計学的に皆無だからこの家を買おう!」 っていった明るくて思いっきり前向きなガープが 子供が生まれて、守るべきものができたとき すごく偏狭になってゆく。 人生ながくやってると、大切なものも増えていくし 守るべきものも増えていく、それを守っていくために大切なものを冒す何かに対してどう対応するか。 いろんな意味での「許し」のお話。。。なのかな? あんなことしちゃうプーのことでさえ 監督は決して悪い人には描いてないように思うんですが。 むしろやさしい目で眺めてる。 「人間って、どんなふうにも生きられる、どんなところで、なにをしても、そしてどんなに傷付いても、傷つけられても、生きていていいし、生きていける。そのうえやさしくだってなれるんだよ。」 あの、女達が暮らす海の向こうの空から そんなメッセージをたしかに受けとれます。 なんかね、人生が詰まってるって誰がいったんだっけ? ジョージ・ロイ・ヒル監督 「明日に向かって撃て」「スティング」キャー!!どっちも大好き!) さいごの傑作ですよ!
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12:37 PM |
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2007,12,05, Wednesday
実は、題名も題名だし、アカデミーもとっちゃってるしで、とっつきにくかったんです
でもね、とにかく、おもしろい!おもしろい!おもしろい!作品 脚本がホントにうまいと思います ビデオになってからしか見ていないので私にとっては結構最近の作品なんですが どうしてこんなになつかしい感じがするんでしょう。 お芝居の話だから、なんでしょうね、でてくる人みんな芝居を愛してる! 端役の人たちが楽しくてかわいいの 最初にでてきて口上を述べる人 海賊役だったのに乳母の役になっちゃうひと、 極めつけが小屋主なのに芝居が大好きで薬屋の役に舞い上がっちゃう人 役者だけじゃなく、たのむから小道具を壊すなって言う小道具係 小屋を失って途方に暮れる劇団員にうちでやりな、といってくれるライバルの小屋主 みんなが芝居を愛してて、いい芝居を舞台にのせたいってこころから思ってる。 内容は、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の裏話 という感じなのですが、本当にいろんな要素が詰まっています。 一本のお芝居が出来ていくドラマであり、ラブストーリーであり、男女取り替えコメディとしても見れないこともないし しかも、そのすべてが一級品! どういう風に見てもおもしろい!こんな映画ってちょっとないと思います。 シェークスピアとヴァイオラが文字どうり恋におちて それが作品になって、舞台にのせられて 初日をまえにして現実と稽古の境がだんだんなくなっていくときの盛り上がり方なんか すごい! ベッドの中の会話がセリフになって稽古をして それがまた、次の会話を引き出して・・・ その上、そのせりふが男女取り替えとくる そのめくるめくかんじがまた そうそう恋愛中のみさかいない盛り上がりってこうだよなーって思わされて 見てる方はもう、なんかいいように翻弄されちゃうんだけど、それがまた気持ちいい マジックのような作品ですよ。 グゥイネス・パルトロウって不思議な女優さんですね。 あんなにきれいなのに、不細工な役もうまい 実は、この作品のように美しいって言われる役じゃなく ちょっと壊れた役をしてるときの方がわたしは好きなんですが。 この作品の中でも、ショートヘアに付けひげをつけて、男に変装したりしていてそれがまたなんだか、かわいいの。 パルトロウにこれでアカデミー???って思ってたのだけど くりかえしてみると、なるほどさすが! だって、未だかつて、俳優と呼ばれる人で ロミオもジュリエットも同時に演じた人っていないんじゃないかなあ? それも、劇中劇でよ! ラストシーンきれいでした ヴァイオラはシェイクスピアのなかでどこに向かって歩いていったんだろう 十二夜が読みたくなりますよ 劇中劇と現実が交錯してるうえにそれが 男女こうたいで、しかも当時の身分差とかもきちんと描いてて なのにすんなり見て泣いて笑えちゃったりする これは、かなりすごいです そこが、たぶん監督マジックなんだろうなぁ。 |
2007,12,04, Tuesday
クリスマスに雪がふると、うちの息子はこの映画のことを言い出します。
上質な、大人の童話という感じ 全部の場面がとってもきれいです 色とりどりの町並みも美しいし そこへ立っている全身モノトーンのエドワード(ジョニー・デップ)がまたすごく絵になっています。 これではじめて、ジョニー・デップという人を知ったのですが んなメイクをしているのに せつない表情がちゃんと見えて、このひとすごい って鳥肌が立ったのを覚えています。 初めて見た当時 彼によく似た人が大好きだったので かなりオーバーラップしてて、それで好きなのかと思ってましたが 後々見直してみてやっぱりいい映画だと確信しました。 恋愛の本質みたいなものを、すごく上手に、映像にしてると思います。 恋をしちゃうと それを守るために自分も傷つくし周囲も傷つけてしまう それだけでなく相手まで傷つけてしまうことあるし、それが、激しい恋ならなおさら・・・ 両手がはさみでうまれてきたエドワード (彼の存在がこの作品のすべてといってもいい) 異形で、それ故他人から憐れまれたりさげすまれたり利用されたりして でも彼自身は、何に対しても悲しいくらい誠実で 何度も傷つけられてしまうのにそれでも人を信じていて、、、 そんなエドワードが人を傷つけてしまうのは本当に悲しい結末なんですけど それも愛ゆえなんですよね。 デップは この無垢で宝石みたいな心の持ち主を あのポーカーフェイスでみごとに演じています。 愛してる人を抱きしめたいけど抱きしめたら傷つけてしまう そんなアンビヴァレントな感情を たった一言「I CAN'T」で表してしまってる。 このシーン、ホントに切なくていいです。 ウィノナとデップこの作品の直後に婚約してるんですよね (わかれちゃったけど) そういう雰囲気もなるほどって感じ |
2007,12,03, Monday
言わずとしれた大ヒット作品です。
でもこれがいいんだなっ! なんかもうジャン・レノだあああいすきっ!って叫びたくなります。 なにもしゃべらない、しかも字も書けない 観葉植物だけ愛してる、どうもちょっとおかしいかなあ? って言うおじさん、このやたらと牛乳ばっかのんでるおじさんが お話が進むにつれて愛おしくて愛おしくて仕方なくなってしまうの。 あーマチルドになりたい!って心底思ってしまいましたよ! また、彼のファッションがかっこいいんだー 毛糸の帽子と、Tシャツの上から、だぼだぼコート つりバンドの付いたパンツをあみあげ靴にたくしいれて、革のトランク持って なんか似合ってるんだよなー。だぼだぼコートは当時よく真似したもんです。 この作品と見比べてみておもしろかったのが「グロリア」です(もう古典かもしれませんが) この作品が、「レオン」の元ネタだというのは、有名な話ですが 実は、元々の主人公は女ヤクザだったんですね。 つまり「レオン」とは、性別が入れ替わってしまっているんです 女の私としては元々の女ヤクザさん(こんな言葉あるのかな?) の方をぜひ応援したいところです シャロン・ストーンでもリメイクされているこの作品ですが(こっちは見てません) 私のお気に入りはジーナ・ローランズの方 このころいくつなんでしょうか?いいおばさんぶりです でもそんなおばさんが、おもいっきりハードボイルドにピストルを打ちまくってくれます これが、すごいリアルって言うか、すごく日常的っていうか ハンドバックから、ピストルを取り出したかと思うと次の瞬間には打ってて そのあとなにげにバックにしまったりするんだなあ。 このおばさん、普通じゃないぞ!って思わせる幕開けです。 また、グロリアに助けられる男の子が何ともいい味です、かわいくもないし美形でもないのに こいつ男なんだよね、若干6才にして「死ぬほど愛してる」なんて言われた日にゃー おばさんはふにゃふにゃになってしまうよ~~。 ジーナ・ローランズって有名な女優さんらしいけどあまり知りませんでした でも、すごくうまい人ですね ヤクザの屋敷に乗り込んでいって かつて一緒に暮らしていた親分と会話するところなんか この2人が昔どういう関係で、いまお互いにどう思ってるのか、なんの説明もしていないのに彷彿とさせちゃう たばこに火をつけてもらうとき、ちょっと添えた手だけで 相手になにか伝えてるんですよね。 この二つの作品ラストシーンも対照的です どっちが好きかはお好み次第ですが ことラストシーンにかんしては私は「レオン」かなあ? 作品的には「グロリア」の方が好みなんですが。 |